書評「統計学が最強の学問である」

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多くの人がなんらかのデータに基いて行動していると思いますが、そのデータはちゃんとしたデータなのかどうかというのは案外誰もつっこまなくて、ちゃんとしたデータとは何かというのを教えてくれるのがこの本だと思います。

西内 啓
ダイヤモンド社 2013-01-25
¥ 1,680

学問についてほとんど何も知らないし統計学が最強かどうかもわからないけど、そう思わせてくれるだけの文章だったし、読んでるだけで面白いというのは本の醍醐味だし統計学の入門書として素晴らしいといったレビューが多いのも納得の一冊。

例えば「誤差と因果関係が統計学のキモである」という章で例として出てきた「ゲームと少年犯罪の因果関係は明らかにできるのか」というテーマ。

たとえば親に対するアンケートの結果、子どもが暴力的なテレビゲームで遊んでいたかどうか、という質問項目と、子供の犯罪・補導歴の有無の関連性を分析し、少年犯罪者のほうが暴力的なテレビゲームで遊んでいる割合が高かった、という結果が得られたとしても、暴力的なテレビゲームを規制して犯罪率が下げられるかどうかはよくわからないのだ。

よくわからないのはなんとなくわかりますが理由をちゃんと答えられるでしょうか。

僕なんかはいつも「現実とゲーム一緒にすんなボケ」とあまりに学問的でない反論にもなってない汚い言葉で済ませてしまうんだけど最強の学問である統計学だとこう考えます。

同じようなゲームを遊んでいた子どもたちがいたとして、ある子どもが警察のお世話になったら、その親は「あんな暴力的なゲームをやっていたせいで・・・」という評価をゲームに対して下すだろう。一方で、大した問題を起こすわけでもなく穏健に育っている子どもの親は、同じゲームを「男の子が好きそうな戦いのゲーム」としか認識できないかもしれない。
また、同じようなゲームに対して「あんな暴力的なゲーム!」とカリカリする親の子どもは犯罪率が高いという可能性もある。遺伝なのか環境なのかはともかく、同じゲームに目くじら立てるような親とそうでない親の間で子どもの犯罪率が異なる、という可能性は考慮すべきた。

なんとクールな学問なのでしょう統計学。

クールと言えば、「偽の占い師を見破る方法」という記述の後

なお、私は本当に当たる占い師が存在するかどうかをデータもなしに否定するつもりはない

と、マジでかっこいい学問です統計学。

テレビで見る心理学者は一例を元に「ゲームは犯罪助長するもの」と決めつけるし、物理学者は「占いなんてあり得ない」と決めつけがちです。

一つのデータを与えられても誤差や正確性を考える過程ってあまり深くされないことが多いのですね。

この本、ネットでは大きな話題になっていますが、統計学なんかに全く興味のない人にこそ読んでほしくて、職場の本棚なんかにポンと置いておきたいかんじです。

たぶん表紙やタイトルなんかも手に取りやすいようなものを統計から導き出してるのだろうし。

あと、この本はcakesの連載を一冊にまとまた本で、僕はcakesにはお金を払う価値がないと決めつけていたのですが、このような素晴らしい文章も読めるというデータができてしまったのでしばらく購読してみようかと思っています。

西内 啓
ダイヤモンド社 2013-01-25
¥ 1,680



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