書評 » 津田大介「ウェブで政治を動かす」

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Kindle版で読みました。ウェブリンク貼ってる本ですし500円とお安いので読める環境がある人はKindleのほうがいいかもしれません。

前半はソーシャルや政治でこんなことあったよというまとめ的な内容で、

前著「動員の革命」ともかぶっている部分もあって著者のtwitterをフォローしてる人なんかには新しい情報は得られないので物足りないかもしれませんが、ニコ生の司会見ててもわかるように著者の交通整理術には定評がありますし、後半の本題を読む上でも今一度おさらいしておきたい事例がつまっていますので読む価値ありです。ネットと政治の繋がりとかどういうことかわからない人には前半部分だけでもかなり面白く読めると思います。

タイトルから想像できる通り「ネット選挙」についても語られています。

p.156
たとえネット選挙を解禁したところで、すぐに大きな変化がもたらされるわけではない。「ネット選挙で民意が反映される」という考え方は現状では絵に描いた餅でしかない。
今われわれが考えなければならないのは、過度にネット選挙解禁に期待することではない。必要なのは、選挙に依存することなく、議員や官僚に対して「洗練された民意」を直接届けていくための仕組みだ。

僕はネットでの選挙活動とか今のtwitter見てるとまともな人が選ばれるわけないと思ってて、ネット選挙解禁すればいいみたいな意見にモニャモニャしてたので、この文章はとても響きました。
ネットは所詮ツールだということは散々言われていますが、使う人間と目的意識の問題なわけですね。
政治家のtwitterというと蓮舫がマジコンコード聞いたり、三宅雪子や浅尾慶一郎の面白火消し術が見られたりとアレな事例が思い出されますが、本書で書かれている原口一博や藤末健三などのようにうまく活用しておられる政治家もいます。ただ、twitterやFacebookが政治活動に最も適したメディアかと言われればそうではないと思うので著者が新たに作るらしい新しい政治メディアにも期待したいところです。

p.209
情報を受けてリアクションする側、発信者に問題提起する側においても、冷静さが求められる。政治家も人間だから、見ず知らず、さらに匿名の人間からいきなり詰問調で来られては、つい過激な発言をしてしまうこともあるだろう。それは「コミュニケーション」とは呼べない。
ソーシャルメディアを利用する議員がある程度の”スルースキル”を持つことも大事だが、それ以上に一般ユーザーが意図せず政治家の失言を引き出してしまうような状況をつくらないということが重要だ。そのためには「失言」をありがたがるメディアの意識も変わらなければいけない。議員の「失言」ばかりメディアで注目されるような政治状況が変わらないようなら、「ウェブで政治を動かす」ということは夢のまた夢で終わるだろう。

「失言」報道問題ってマスメディアだけじゃなくて、ネットにおいてもTogetterや2ちゃんまとめサイトで発言の一部だけ編集したりテレビと同じことしてて、それ見て喜ぶ人が大勢いるっていう根深い問題で、政治家のネットで活動する時の大きな課題なんだと思います。

p.261
ニコニコ生放送やユーストリームで放送しているとき、荒れるようなテーマの議論をしていると、否定的なコメントが寄せられることがある。しかし、それに返信したり、放送内で取り上げたりするだけで、一方的な批判、ネガティブな書き込みは明確に減っていく。
彼らは自分の意見を聞いてもらいたい、同じ放送を見ている人に伝えたいため、強い言葉で主張するのだ。「きちんと届いてる」ことがわかれば、彼らの欲求の半分は満たされる。

これはドワンゴの川上会長もよく言ってる「コメントが凍りつく瞬間」というやつで、ニコ生の政治系の番組なんかを見てるとよくこういうことがあります。
もちろん炎上して”ガソリン”と呼ばれる火に油を注ぐようなコメントしてしまったりする人もいますが、そこらへんは慣れとテクニックの問題でクリアできそうなものです。

終章からあとがきにかけてはとても濃い内容でまだ頭の中が散らかってる状態ですがウェブで何かを変えたいと思ってる人や政治家にとって必読なのは間違いないかと思います。

梅田望夫に「残念」と言われ、残念ながら残念と言わざるを得ないことも多い本国のウェブですが、何年後かには少しはマシなインターネットになって「ウェブで政治が動いた」が出版されるとよいですね。
ウェブで政治を動かす! (朝日新書)

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