決勝戦にふさわしい素晴らしい試合でした。
常翔学園17-14御所実業
開始早々、常翔学園SO後藤がトライ、その後もWTB野崎がトライと前半は常翔学園ペースでした。
FBの重が相手キックから多彩な攻撃で確実にゲインラインを切って2本連続トライに結びつきました。
御所実業はこのトライ後、重を警戒してかキックも有効に蹴れず攻めあぐねていましたね。
前半の中盤からはいいタックルも出てきてディフェンスの出足もよかった御所実業ですが、ターンオーバー直後に重や松井の正面に蹴りこんでしまい逆にピンチになるシーンも。
一方的な展開になるかと思いましたが前半23分、御所実業が得意のドライビングモールからフランカーの橘のトライで3点差に詰め寄ります。
一本返して動きがよくなった御所実業ですが前半はこのまま10-7で終了。
後半は常翔学園重がフルバックからハーフにコンバート。
ボールを持って走るシーンも目立ちましたが御所は鋭いタックルでうまく止めます。
後半5分、御所実業はゴール正面でペナルティをもらいます。
三点差なので狙うかと思いましたが、ペナルティゴールは選択せずモールで攻め込みそのまま連続攻撃からトライ。
ゴールも決まり14-10と逆転。
追いかける立場になった常翔学園ですが、若干の焦りが見られました。
個人技も全て御所のタックルに阻まれます。
後半12分からの2分間、ピンチとチャンスが目まぐるしく入れ替わる展開は素晴らしく会場から大きな拍手が聞こえました。
その後も何度か攻守が入れ替わりますが後半22分、常翔学園がしぶとい攻撃からWTB松井にボールが渡ってトライ。
SO後藤が一番端からのコンバージョンを素晴らしいキックで決め17-14と再び逆転。
残り時間が5分となってからはキックの欧州。
どちらが攻めるかと手に汗握る展開でした。
残り時間が3分になるとさすがに相手にボールを渡したくない両チーム。
22mの内側からでも展開する御所実業が常翔学園の反則をさそいキックで全身しますがラインアウト直後にボールを奪われます。
再び奪い返し、自陣から展開する御所実業ですがロスタイムにペナルティをしてしまい、蹴り出されてノーサイド。
常翔学園としては初の、大阪工業大学付属高校時代から数えて5度目の優勝となりました。
下馬評では常翔学園有利とのことでしたが、御所実業の粘りが素晴らしく、自力ではほとんど差のないように見えました。
常翔学園の野上監督は「選手たちが楽しいラグビーを一生懸命してくれて、嬉しかった」といつもの厳しい表情をゆるめ涙声で語っていました。
激戦続きの今大会にふさわしい決勝戦と優勝校。
おめでとうございます。