今年面白かった本 2017

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今年あんま読めなかったですが特に良かったもの。
今年発売されたもの限定で。

星の子

星の子
星の子
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今村夏子
朝日新聞出版
売り上げランキング: 26,889

芥川賞では影裏と僅差で受賞を逃しましたが素晴らしい小説でした。
親が変な宗教みたいなものにはまってしまって、そのきっかけが自分の湿疹を治すためだったからということで、親との関係が複雑になるけど、みたいな話です。
今村夏子さんの小説は暖かい感じの裏によく考えると恐ろしいものが含まれていて、この作品のラストもゾッとするような余韻を残します。
それは結構どこの家庭にもあるような問題というか、家族だから美化されるみたいなとこが、ある種のホームドラマ的なものへの批判にも見えて鋭いと思いました。
あまりに嫌な余韻なので読み終わって音速ではなまるマーケットを見ました。

私の名前はルーシー・バートン

私の名前はルーシー・バートン
エリザベス ストラウト Elizabeth Strout
早川書房
売り上げランキング: 264,702

入院することになってそこに久し振りに会う母親がお見舞いにきて、あんなことあったねあんな人いたねみたいな会話をする話。
なんでもない日常が素晴らしいという作品の中でも、その日常と認識の積み重ねが今の自分を作ってるという部分まで踏み込んでいて、読み終わると優越感とかではなく自分の人生も悪くないなと思えます。
記憶を辿って会話してるだけだから話もぼんやりしてるしエピソードもざっくりしてるのに、その感覚が自分に当てはめるとあれのことみたいな感じで妙に印象に残る謎の普遍性を持っていました。
なんでもない話の中に読者の自意識を抉るようなきつい部分もあったりして、とても読み応えあります。
日常をテーマにした作品ははなまるマーケット研究家としてこれからも追い続けていきたいものです。

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人
屍人荘の殺人
posted with amazlet at 17.12.28
東京創元社 (2017-10-12)
売り上げランキング: 204

これは今すぐ読んでほしいとしか言えない感じのアレです。
たまに本屋のポップとかでネタバレ書いてるとことかあるので気をつけてください。
先の読めない展開や衝撃的なオチがそのまま良い本だとは思いませんが、この本はそういう部分以外の描写力やミステリーとしての骨格もしっかりしてて本当に面白かったです。
はなまるカフェのゲストブログに書いたらネタバレって怒られたことあるのでこの辺にしときます。

春と盆暗

春と盆暗 (アフタヌーンKC)
熊倉 献
講談社 (2017-01-23)
売り上げランキング: 48,396

ちょっと不思議ちゃんの女の子と盆暗男の短編集です。
この不思議ちゃん具合が絶妙で、実際にこんなやつおったら嫌やわってならんぐらいの本当にかわいらしい感じ。
その脳内が絵で表現されるとこも素晴らしかったです。
このブログ読んでるような岡江さん好きはたぶんハマれると思います。
改めて岡江さんってほとんどファンタジーの域だなって思いました。

夜の谷を行く

夜の谷を行く
夜の谷を行く
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桐野 夏生
文藝春秋
売り上げランキング: 32,783

連合赤軍の山岳ベースの話。
事件に巻き込まれていって普通に人を殴ったり殺したりする感じを追体験できて、みんな元はそんなことする人じゃないんだから、自分がそうならないために日頃からこういうこと考えとくの大事だなと思います。
桐野夏生さんといえばショッキングな描写や女同士のドロドロ話のイメージが強いので、赤軍の話って聞いた時はそういう面を強調するのかなと思いましたが意外とそうでもなく、むしろあの事件はそういう話ですらないというのが本質なのかなと思いました。

月の部屋で会いましょう

月の部屋で会いましょう (創元SF文庫)
レイ・ヴクサヴィッチ
東京創元社
売り上げランキング: 196,492

レイ・ヴクサヴィッチのSF短編集。
岸本佐知子さんが翻訳に関わってるので前から気になってましたが文庫化のタイミングで読みました。

SF設定のアイデアが凄すぎて、その設定だけでも面白いのにそれを活かして何かを伝えてくるって感じがすごいです。
紹介文を引用しますと

皮膚が宇宙服になって飛んでいってしまう人々、恋人に贈られた手編みセーターの中で迷子になる男、誰もが常に金魚鉢を抱えていなければいけない星でのバカンス、自分の寝言を録音しようとした男が味わう恐怖…

一体なに言ってんのって感じですがこんなのが33個入ってます。
恋人同士や家族の話が多くて、コミュニケーション問題の話として読んでも非常に面白いです。
一編ずつは短くて、異常設定に慣れたと思ったらもうすぐ次の異常がやってくるので、Kindle版で暇な時にちょこちょこ読むのがおススメです。
岡江久美子さんの発言の中で特に好きなやつで、「ローライズジーンズからお尻見えかけてる人を見るとミミズとか入れたくなっちゃう」というのがあるのですが、なんかそういう奇想の連続の本です。


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