PENTAXのちょっと前までフラッグシップだったK-5IIsを愛用してて特に不満もないのですが、フルサイズってどんなもんかいなと思い買ってみました。
PENTAXの比較を交えつつレビュー。
購入動機
PENTAXがフルサイズ出してくれたらいいんですが、どうやら出そうで出ないっぽいのでそれまでの遊びってのと他社も一回がっつり使って見たかったってのが主な購入動機です。
PENTAXはK-3売りたいだろうし中途半端な発言はできないってのもあるでしょうけど少なくとも来年ぐらいになりそうじゃないですかね。
6Dとの比較
で、他社でフルサイズ一眼レフというとCanonとNikon。
あんまり高いのとか重いの外すと、D600と6Dが残るわけです。
D600が6Dより優れてるところは
- 画素数
- ダブルカードスロット
- 内蔵フラッシュ搭載
- 視野率100%のファインダー
- 39点AFポイント
- クロップモード
- 1万ぐらい安い
画素数に関しては良し悪しです。
逆に6Dが勝ってるところは
- 高感度耐性
- 軽さ、小ささ
- Wi-Fi、GPS内蔵
こんなところでしょうか。
この辺見てメリットとデメリット比較した結果、D600になりました。
Wi-Fiとかはあんまいらないし、PENTAXで100%のファインダーに慣れてるから落ちちゃうのは嫌だってのが大きかったですね。
あとはデザインとシャッター音が圧倒的にNikonのほうが好きってのはあります。
特にシャッター音はフルサイズにしたら静かな方だし音もかなり好み。K-30と似てますかね。
D610との比較
今Nikonのフルサイズ買うならD600のマイナーアップデート版、D610があります。
違いはこんな感じ。
- 連射5.5/秒→6/秒
- 静音シャッター連射が可能に
- オートホワイトバランスの精度向上
ってのは建前で、実際にはごみ問題対策機種だと言われています。
ごみ問題について
流れだし嫌な話は先に書いておくと、D600にはセンサーにダストが付着しやすいという問題が多数報告されています。
ダストっていうか、ブロワーで飛ばないオイルっぽい汚れなんですが。
これはNikonも公式に認めていることで去年はこんな文書を発表してました。
ニコンデジタル一眼レフカメラ D600ご愛用のお客様へ | ニコンイメージング
わりと曖昧な書き方ですが、まあそういう報告が多いというのは把握してるということを発表してます。
で、僕がD600買った次の日2014/2/26に出たリリースがこちら。
ニコンデジタル一眼レフカメラ「D600」ご愛用のお客様へ | ニコンイメージング
【対応について】
使用説明書の「ローパスフィルターのお手入れについて」に記載された手順に従って、イメージセンサークリーニングやブロアーによる清掃を実施しても画像への写り込みが除去しきれない場合や、本現象が気になる場合につきましては、弊社サービス機関にご相談ください。無償にて、点検・清掃および、シャッター、関連部品の交換などを実施させていただきます。
で、実際にごみが出るかというと、僕の個体では出ました。
シリアルは204から始まるもので、初期ロットではないようです。
粗探しでも絞り込みすぎということもなく、普通に5.6とかでも確認できるレベルです。
センサーの清掃は2回Nikonにやってもらいましたが、次の日にはもう出てます。
シャッターユニット交換でどれほど改善するのかは不明ですが、少し微妙な対応という気はします。
これが明らかに個体差で不具合ということであれば返品や交換も対応してもらいやすいですが、中途半端なリリースのせいで「D600ってそういうもの」ということになってしまいました。
僕は問題のこと知ってて安いしってのでD600買ったからいいんですが、これから買う人は価格差2万ぐらいのD610のほうが無難かもしれません。
特にサービスセンターが近くにない人、風景をよく撮る人、神経質な人は。
外観
というわけで普通のレビューに戻ります。
レンズは安い50/1.8Gを買ってみました。
この組み合わせだとかなりコンパクト。
重さも1kgを切ります。
モードダイヤルの下にシャッター方式スイッチがついててこれがわりと使いやすいです。
まあこればっかりは好みなので、グリップ感やシャッター音なんかも含めてお店で触ってみるといいと思います。
操作性
普通なんですが、ちょっとやりにくいことがありまして。
例えば画像再生。
拡大縮小ボタンが左下についてるため、両手じゃないと操作できません。
PENTAXは右手のダイヤルクルクル回せば拡大縮小できるので少し不便に感じます。
撮影時はこの左下のボタンがISO設定ボタンになるんですが、このボタンはシャッター付近にして欲しかったですね。
これも両手必須。
ダイヤルだけでISO設定できるISO簡易設定ってのがあるんですが、ISOオートにしてると自由に設定できるわけじゃなくて一度オートを切る必要があって、それに両手が必要。
この辺もPENTAXのほうが使いやすいです。
ただ、Fnボタンをいろいろな設定に当てられるのは完全にNikonが上。
ダイヤルなんかも細かく設定できるし、PENTAXのダブルマウントでもほとんど同じ操作でいけます。
気になるところは慣れたらなんでもないようなことは多いですかね。
高感度耐性
センサーの面積がAPS-Cの2倍ぐらいなので、単純に一段ぐらい上げれるってかんじですかね。
体感でもそんな気がします。
個人的には1600が常用、拡張しない6400あれば十分なことが多いので、それでこれぐらいなら全然構いません。
RAW撮りなのでノイズリダクションはOFF。
さすがに拡大すると暗所でノイズ目立ちますが、写真としてあれになるかっていうとそうでもないので、ブレるよりましってレベルではないでしょうか。
AF
PENTAXがよくAFダメって言われるけど、Nikonがそこまで早いとは感じませんでした。
もちろん上級機じゃないからってのもあるだろうけど、レンズによるってのはどのマウントでも共通なのかなと。
50/1.8G、85/1.8G、24-85/2.4-4Dの三本の安いレンズで試しましたが、それほど差があるとは思えません。
ただ、Nikonは安いレンズにも静かで早い超音波モーターを搭載してるので音の部分では総合的にNikonに軍配があがるのかなと。
モーター搭載されてないレンズでも音小さいです。
タムロンのA09も試しましたが、明らかにNikon用のは音が小さいですね。PENTAX用も同じ値段なのに…
D600は暗所AF苦手なようで、これはK5IIsの圧勝。
AFポイントは中央に寄り過ぎって気がしないでもないですが、今のところ困ってないですね。
顔にピント合わせて全身撮りたいシチュエーションなんかだと寂しいかも。
とはいえ、D4/sもD800/Eもそこまで広くはないので、まあフルサイズならこんなもんかって感じで慣れるしかなさそうです。
作例
まとめ
PENTAX K-3のムック本の表紙に「もうフルサイズは要らない」と書かれてることが話題を集めました。
一応フルサイズを使ってみて思ったのは、ある意味ではそうだという感想です。
例えばPCの鑑賞ではフルサイズとAPS-Cの違いなんてわかりません。
L版の写真なら絶対わからないんじゃないでしょうか。
40インチのテレビで見るとさすがに違いが見て取れますが、それでもAPS-Cで十分という感はあります。
ただ、ボケを活かした表現や高感度耐性は圧倒的にフルサイズが有利なので、この小ささでこの安さならフルサイズにこしたことはないとも思います。
なによりPENTAXのフルサイズを待ち望むユーザーの多くは、フル対応レンズをフルサイズで使いたいって人が多いんで、フルサイズ要ります。
FA77なんかは本当にフルサイズで使うの楽しみ。
D600はフルサイズ入門には本当に値段もお安くてピッタリだと思いますね。
50/1.8のレンズと合わせて買っても15万ちょい。
ファインダー視野率とか、大事なところは妥協してませんしオススメです。