
動員の革命 – ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ)
- 作者: 津田大介
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/04/07
- メディア: 新書
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ソーシャルメディアが世界をうんたんするといった類の本は書店に溢れておりますが、本書及び著者に好感が持てるところはソーシャルメディアのデメリットはデメリットとして認めて対策を示し、メリットを語る上でもきちんと抑制が効いているところだと思います。
「ソーシャルメディアが世界を変える」と熱く激しく語られても普通の人は引いてしまいますし、ネットに馴染みのある層は本棚から中川淳一郎著ウェブは馬鹿と暇人のものでも引っ張りだしてきて合間に読むことでもしなければ本当に疲れてしまいます。
使われる端から(笑)をつけられていくなんとなくスゴげな横文字ばかり並べられても説得力に欠け、腑に落ちないのですよね。
p.40
ソーシャルメディアは、それ単体で政治的な圧力になったわけではありません。広場に何百万人も集まるという、民衆のデモが圧力になったのです。
ソーシャルメディアだけあっても行動を起こす人がいないと世界は変わらないのですね。
これは真理で、著者もこのことを日頃から言い続けています。
朝まで生テレビに出演された際もおっしゃっていましたね。
そんな著者が「動員」ということに焦点を当てた内容には説得力があり、昨今のSNS振り返りや用語解説から始まってビジネスへの応用や寄付への話に繋がっていく構成も読んでて心地よいものでした。
フジテレビデモや原発廃止デモ、海外でのデモ話を引き合いに、動員後の行動の在り方にも触れられているので、これからアクションを起こしたい人や思ったような活動ができずに悩んでる人には参考になるかと思います。
飲み会レベルの小さな動員にも役に立ちそうですね。
対談も充実していて、更に広い角度からのソーシャルメディア話はなかなか読み応えがあります。
現在のSNSの利用状況やタイムリーな話題もありますし、なによりリアルタイムウェブな本ですので「今」読むべき一冊だと思いますなう
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