土橋真二郎の論理ゲーム本、どれも面白いですが一番好きなのがこれ。
もちろんこれは有名な囚人のジレンマをテーマにした本で、それを高校の一学年で行うというもの。
要はバトルロワイアルの心理板です。
ルールは表紙にもあるようにだいたいこんな感じ。
- タイムリミットまでにクラスから1人を生贄に捧げる
- 生贄は志願か投票で決める
- 生贄を捧げないと全員死ぬ
その他細かいルールが出てきて、設定が甘いと言えばそうだけど作品の中ではちゃんと成り立つ絶妙な感じです。
ゲームの進め方も所々あほだったりしますが、これは高校が舞台で、高校生ならいかにもこう考えそうという感じになってて感情移入しやすくなってます。
あまりネタバレしてしまうと面白くないのでここでは細かいルールは書きませんが、下巻で行われる最後のゲームはメインのゲームよりずっと面白いものでした。
読みながら学生時代を思い出し「自分だったら誰を生贄に捧げるか」なんてダークな懐かしみができるのでオススメです。
というのは冗談ですが「いるいるこういうやつ」っていうのは確実に描かれています。
仕切りだす人、逃げ出す人、現実から目を背ける人、明らかな生贄キャラ…
黒いです。
あ、この作品「中巻」があるので間違って上、下だけ買ったりしないようにしましょう。
僕はよく中巻の存在を知らずに上下だけ買ってしまったりするので次回は是非、分冊における中巻のジレンマ問題なんかをテーマにして土橋氏になんか書いてほしいです。