女子力だけでなくコミュ力や地頭力、断る力までいろんなパワーが要求される昨今ですが〝女子校力〟というものにスポットを当てた著書がこちらになります。
内容紹介
「女子校っぽいよね」―同性にはすぐにピンとくるらしい。モテることより先に笑いをとりにいく、基本は他人に関心がない、余計なことをつい言ってしまう…一見すると、好き放題。そんな女子校出身者は社会に出て、冷たい視線にさらされる。異性もいる職場での女子どうしの監視。男性上司のメンツがわからない。「世間知らず」。誇りとコンプレックスの狭間で悩む彼女たち。でも空気を読まずに自分を主張できることこそ、新しい時代を生き抜く力では。ここにきて一部で人気が上昇。なぜいま女子校なのか?78名の取材から見えてきた、いまどきの女子校育ちの強さと存在感のヒミツ。
78名に取材してるんでそれはまあ生々しい女子校あるあるが詰め込まれてて、わかりやすい部分だけ編集してるんだろうけど普通に面白いです。
女子校には基本的にスクールカーストが存在しないという話は以外だったのですが、「共学だとスクールカーストが発生しやすい」「1980年代は女子校にもカーストがあった」と続き「共学は異性の目」「1980年代は世間の目」がカーストを作らせていたいう解説に納得。
このカーストの話の中で桐野夏生のグロテスクが引き合いに出されてて、桐野夏生作品のような女性のドロドロを凝縮したのが女子校だと思っていましたが本書によるとそうでもないようです。
女子校力とは
帯によると
- 本音と建前を使い分けない
- 余計なことをつい言ってしまう
- 男のメンツがわからない
空気を読まずに突き進む“世間知らず“な強さ
ということらしいです。
僕もコミュニケーション能力と空気を読む力を勘違いしてる人は嫌いだけど、わざわざ女子校力なんてのを身につけてようとは思いません。
本書はそんな力を身につけるためとか、これから女子校を受験させようか悩んでる親向けの本ではありません。
内容紹介に
誇りとコンプレックスの狭間で悩む彼女たち
というフレーズがあります。
78名のインタビューを読んでると明らかにコンプレックス側と誇りに思ってる側がわかる人がいます。
特にコンプレックスに感じてる人はとことんコンプレックスを感じてるのが伝わってきます。
著者はあとがきでこう書いています。
私にとっては女子校出身であることはコンプレックスであった。だが、いまは女子校でよかったと少し思えるようになっている
女子校きっかけで本まで出せたんですからそれはそうでしょう。
こういうなんでもネタにしてやる人という気合いのは人強いし、いつまでも過去のコンプレックスにとらわれてても何の得にもならないし醜いってのがよくわかる本でした。
インタビューは面白いし著者の言いたいこともわからないではないんだけど、この本読んでいきなり「女子校力!空気読まない発言!」とかやっちゃう人はかなり危険な気がするのでとりあえず気合いだけ学びましょう。
関連本。
スクールカーストの話で何度も引用されてるので事前に読んでおくとわかりやすいかもしれません。